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母の認知症に気付いた理由

これを書くと言って、なかなか時間がなくて半年以上経ってしまった


今日は長くなるよ。。。心して読んでね。






その兆候は、今思えばあれもこれもとたくさんあったのだけれど、「まぁ歳だからしかたないか」程度の些細な事ばかりで、ほとんど気にとめてなかった。

まさかね、、という気持ちと、なってほしくないという気持ちが、それに気づくことを遠ざけてたんだと思う。




決定的に気付いたのが、2011年のお正月のこと。



三ヶ日が過ぎて、母に新年の挨拶の電話をした。

元気~?なんてたわいもない話をして、母が
「(ドラム式)洗濯機が壊れてやっぱり使いなれた二層式に買い替えたんだけど、ホースが合わないから買いに行きたい」というので、
「じゃあ、車でホームセンターに連れて行ってあげるから、家に泊まりに来たら?」ということになった。

大体毎年お正月あたりには母が泊まりに来ることになってるので、それは特にめずらしいことではなかった。



当日、実家を出る時にメールをもらい、それからしばらくして「今、どこ?」とメールをしたら、なんだかとんでもない駅名でメールが返って来た。
びっくりして、「えぇ???電車間違えたの???」と返したら、だいぶ経って、訂正のメールが来た。
最初の字が同じなら(横浜を横須賀とか新宿を品川とかね)、予測変換ミスとも思えるけど、どうやったらそういう間違いするの?っていう駅の名前が書いてあったので、「おいおい、大丈夫かよ。。」とそのときは軽く思った程度だった。


それから30分くらいして「(最寄りの)駅に着いたよ~!」と母からメールが来たので、駅に迎えに行ったんだが、どこにもいない。
「どこにいるの?」
「改札の前の花屋」
「え??どこ??」

なんと、母は違う駅に降りていた。

母の降りた駅は急行が停まるので、降りたい気持ちはわかるけど、、今まで待ち合わせたことない駅だ。


なんかおかしい!


まさか??いや、、、まさかね、、、、。

認知症の事はよく知らなかったけど、待ち合わせ場所を間違えるらしいということだけ頭の中をめぐった、、最初のメールといい、ちょっと変。。。。



その後無事会えた後、「あんたが△△駅で待ち合わせって言ったでしょ!!」と怒ったり、、「いやいや、、あり得ないって!どうしたの?!大丈夫?」と言っていたらそのうち、、「私の勘違い!勘違いしただけよ!もういいでしょ!」と言ってその話題を嫌がった。。。。。。。


でも、それ以外はいたって普通。。


そして、私の家に着くと開口一番
「あ!!!あれ忘れた!!!。。あ~、、来る時まで覚えてたのに、、、」

ここ数年、母は家に来るたび、必ず毎度大事なものを忘れてくる。それが来訪目的である品物さえ忘れた


「まぁしょうがないよ~、年は取りたくないね~~」なんていつも笑ってたけど。。。
これも見逃せない始まりの一つだった。



そうして、一緒にホームセンターに行ってホース売り場に行くと、ホースの口径も調べてないし、何を買うんだかわからないようなちょっと挙動不審な動きが。。。
「ホース買うんでしょ?口径調べてきなって電話で言ったのに!」と私が言うと、
「うん~、ま~今日買わなくてもいいんだ。。別に急いでないから。。。」

えー?今日はそのために来たんじゃなかったの???(・・;)
なんかやっぱり変だなぁ。。

仕方ないので、とりあえずこれかなと思うホースを購入。



その後は、夕食時も、喋ってるときも、特におかしくはないし、今までと変わらない。。
やっぱり気のせいかな??



深夜、、母はまだ起きてたけど、私は少し仕事がしたかったので、後は適当にテレビでも観て寝てね!と放ったらかしにしたせいか(それも毎度のことなので今回特に気を悪くすることでもないと思う)、翌朝、「用事を思い出したので帰ります」と書置きをして、買ったもの全部置いて、カーディガンも忘れて帰ってしまっていた。



翌日は車で送っていくことになってたし、何を急いで帰ったのかもわからない、、こんなこと今までなかった。。。やっぱりおかしい。



「急に帰ってどうしたの??ホース忘れてるよ。届けに行くよ」と電話をすると
「来なくていいから!ちょっと具合悪いから、来ないでくれる?」とかなり不機嫌。。。


その後、何度電話しても「来ないでくれ」の一点張りで、、、全く理解できなくなってしまった。


何日かおいて、「元気?体調はどう?帰ろうか?」と電話してみると
「大丈夫だよ。あんた忙しいんだから帰ってこなくていいよ。私は大丈夫、元気だから。」
機嫌は直ってるけど、なんか、、、変、、、私に帰って来て欲しくない理由でもあるのかな。




そう、、思い返せば、、その前にもおかしなことがあった。
年末、タクト音楽祭に一緒に行った時、何度も確認したのに待ち合わせホームを間違えていたり、帰り、私は中央線で、母は山手線だったので、「あっちに乗ったら逆に行っちゃうからね!こっちのホームに行くんだよ!」とさんざん言ったのに、走り出した中央線の窓から、逆側に向かっていく母の姿が見えた。。。

「なんで逆側に行ったの??あんなに説明したのに。。。」と電話したら、
「うーん、、、、ちょっと遠回りして帰りたくなってね」と母が答えた。。

ライブ見てご飯食べて相当遅くなった時間、、、私でさえ疲れていたのに、遠回りして帰るわけがない。。これが、、いわゆる取り繕い行為(自分のミスを認めないため、色々な理由づけをして取り繕う。その理由は筋が通っていないことも多い)と今ならわかるけど、、その時は、変なの!、、くらいにしか思わなかった。


料理が何より得意な母は、毎年家に来る時は色々料理を持ってきてくれたし、家でも腕を振るって沢山作ってくれた。

いつのころからか、、、「もうめんどくさいからつくらなくていい?」と言い始めたので、、私も「あーいいよいいよ!私が作るから、ゆっくりしていきな!」と気にも留めてなかったけど、、、それもサインだったんだ。。。

最近ではあまり作らず、コンビニの弁当などを結構買っていたらしい。。
そんなの買う人じゃなかったのに。。。


うーーーん、、、
これは認知症のはじまりなのかもしれない。。
一人暮らしが長すぎて、寂しさからおかしくなってしまったのかな。。
もう一人にしておくのはよくないかもしれない。。。。
いよいよこっちに引っ越しさせた方がいいのかもしれない。。。



不安はどんどん膨らんで、居ても立ってもいられなくなり、結局抜き打ちで実家に帰ってみることにした。






玄関、、内鍵してあったら入れないなぁ、、、と思いつつ、そっと鍵を開けると、、運よく開いた。



玄関口からトイレに続く廊下から、ものすごい散らかってる、、なんとなく嫌な予感。。


そぉ~っと母がいつもいる居間のドアを開けると、、、

すさまじい量のゴミに埋もれるようにして、廃人のように母がぼんやり座っていた。


私は一瞬息をのんで、凍りついてしまった。

『な、、、なに、、、これ、、、、。』


薄暗い部屋の中で、部屋を埋め尽くすほどのゴミの真ん中に、テレビ画面の光に反射した母の姿が青白く浮かんで、ものすごく恐ろしい光景だった。。。


『これ、、、これだったのか、、、、母は、、これを私に見られるのが嫌だったんだ。。。』


私は何を喋っていいか全く分からなくなってしまい、
『叱ったらだめだ!怒っちゃだめだ!何て言おう!どうしたらいいんだろう!』
うろたえてふと横を見た時、煌煌と赤くなった伝熱器が壁に立てかけてあるのが眼に入った。
その周りをゴミが覆い、その上側には開けっぱなしの食器棚の引出しがあり、そこからもゴミがあふれ返って、今にも伝熱器に被さりそうになっていた。

「あ~~あ~~~!!これ危ないよ!!スイッチ入ってるよ!!火事になる火事になる!!」

と慌ててコンセントを抜いて

「ママ!これ使っちゃだめ!!こんなのどこから出してきたの??ママいつも火は危ないからってIH使ってたでしょ?これは電気だけど、燃えるよ!火事が起きるから使っちゃだめだよ!!」

と手が届かぬよう片付けた。



そしてふっと我に返ったら、、、空気が少し変わった、、、。


私はそ~っと足の踏み場もない部屋にしゃがんで、床を埋め尽くしているゴミをよけて自分のスペースを作り静かに座った。

「ママ、、、、。こっちに引っ越してこない?一緒には住めないけど(家には義父母がいるので)、近所においでよ。きっと楽しいと思うの。みんないるから安心だし、、一緒にご飯食べたり遊びに行ったりしようよ!もうひとりでここに帰ってこなくていいんだよ。素敵じゃない?」

「冗談じゃないよ!!あたしゃあんたの面倒なんか見られたくないんだよ!一人が好きなんだよ!ばかにすんな!!」

と言い出しかねないので、とにかく母が機嫌を損ねないように、ゆっくり優しく、、、話しかけた。。


そしたら、母は

「うん。。。。そんな日がくるのかなって思ってた。。。。」

と小さく言った。




は、、よかった!!!!!!
同意してくれた!!!!!!
はぁ~~~~~~よかったよかったよかった。。。


「よ~~し!そうと決まったら物件探すね!よかった!嬉しいな~!楽しみだね!早く来れるといいね」

母の機嫌を取りながら、少しずつ私は床に散らかったものを片付け始めた。


食べかけの弁当やお菓子、溶けてくずれた冷食、ひっくり返ったカップラーメンやペットボトル、脱ぎ散らかした服、化粧品やハサミ、カッターナイフや包丁、画鋲や針、、、あらゆるものが床を埋め尽くし、ソファーやテーブルにも山のように積み重なっていた。。。



テレビでよく見るゴミ屋敷。。。。
まさか家がこんなことに。。。。
一体いつからこんなことに、、、、、、。



いや、、まぁ、、いい。。。もういい。。。母がこっちに来てくれるのだから、、もう大丈夫。。。よかった。



頭の中をいろんなことがめぐりながらも、静かに片付ける私につられて、母も一緒に片付け始めた。



数時間後、居間は普通の居住空間になった。。。。




「じゃあ、、私は帰るね。物件見つけたらまた連絡するね!楽しみに待ってて!」

そういって帰る私に、母は

「わざわざありがとうね。急いでないから、暖かくなってからでいいよ。」と笑顔で送ってくれた。





よかった。。。これでなんとかなる。
こっちに引っ越してきたら半年くらいは一緒に住もう。。。仕事は、母のところから通えばいい。
歳を取ってからの引っ越しは負担が大きいって言うし、色々わからないことも多いだろうし、なるべくそばにいてあげよう。
一緒に住めば、また料理を始めてくれるだろう。
母は、料理も裁縫もなんでもできる人だったけど、私は早くから家を出てしまったから何も教わらなかった。これから色々教えてもらおう!そうしたら母もきっとまた元の母に戻るだろう!


帰り道、車の中でそんないろんな計画を頭にめぐらせ、とにかく安堵していた。。。
そのときはまだ認知症のすごさも、この後起きる恐ろしい出来事も知る由もなかった。。



つづく。。。。。
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*Comment

自分の父親もそうだったかも 

勇気を出して書いてくださって、ありがとうございます。
たった一人の肉親だから、一番大切な人だから、苦しさもひとしおだったと思います。
考えさせられました。
  • posted by タクト 
  • URL 
  • 2013.02/16 02:23分 
  • [Edit]

Re: 自分の父親もそうだったかも 

え?タクトさんのお父様もそうだったのですか?
暖かいコメントありがとう。

でも大変なのはこの後からなんです。。

同じ思いをしてる人たちの少しでも参考になれば、、と最近思うようになりました。
  • posted by りか姫 
  • URL 
  • 2013.02/17 00:08分 
  • [Edit]

NoTitle 

私は泣いてしまった。それは 人として生きたい…娘を愛してるお母さんの気持ちが 痛いほど!伝わってくるから…
  • posted by 古賀ちゃん 
  • URL 
  • 2013.02/21 20:35分 
  • [Edit]

Re: NoTitle 

古賀ちゃま
ありがとうございます。。
母の気持ちになっても自分に返っても私に取ってはまだ辛い事も多く重い内容のブログになってしまいます。
もっと楽しく書ければよいのだけど、、。。。
  • posted by りか姫 
  • URL 
  • 2013.02/23 23:07分 
  • [Edit]

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プロフィール

りか姫

Author:りか姫
国立音楽大学卒業
作曲家/ボーカル講師/歌手/女優   

≪主な作品≫
らんま1/2・機動警察パトレイバー・あぁ女神さまっ!・JR東海・白樺リゾート池の平ホテル・NTT・グリコ幼児牛乳・前橋ケイリン他(歌・コーラス)
中森明菜・藤あやこ・水森かおり
椎名恵 楽曲提供 他 
舞台、教育番組等の音楽制作

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